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筑波大学大学院生命環境科学研究科教授、三重大学名誉教授、農学博士の渡辺 守先生をお招きして、はまなす館にて講演会を行い、厳しい寒さに拘わらず会場一杯に約90名と大勢の参加を得ました。はぜっ子倶楽部の会員以外に、ヒヌマイトトンボの住む近隣の方々、一般市民の方々、東北大や福島大の先生方、日頃ヒヌマイトトンボを観察している役所の方々など関心の広さを改めて感じました。

渡辺先生からは、伊勢湾にて2003年より既存生息地の隣にヨシを移植して、新たなヒヌマイトトンボの生息地作りを成功させた実績を踏まえ、詳しくヒヌマイトトンボについて説明して頂きました。
●トンボの卵は4週間位で幼虫(ヤゴ)になり、越冬する。このとき汽水域での塩分が保護となる。 しかし、この条件だけでは仇敵のアオモンイトトンボも生き延びる。
●ヒヌマイトトンボは暗い(相対照度10%以下)のところが好き、一方仇敵のアオモンイトトンボは明るいところが好き。よって、ヒヌマイトトンボを守るには、汽水を確保するだけでなくヨシの密度を高くする必要がある。
●羽化してトンボになる時期は5月下旬。 9月中旬ごろ成虫は死に絶える。
●羽化して5日間は未熟期で、その間に体色が変化していき成熟期に(30日間)入る。寿命は1ヶ月ほどであるが、食料条件等で実際の寿命は平均7.5日と短い。
●1回に25cm程度、1日に30~50回しか飛ばないので、動きの少ない部類といえる。
●成虫の食べ物はフナジラミやアブラムシ。

などをお聞きしました。 尚、6月26日には伊勢でフォーラムがあるそうです。

講演者の渡辺先生(右) 
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熱心に聞き入る参加者さんたち
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