相馬LNG基地見学会(報告)
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8月22日(水)午後、相馬市の最高気温が35.0℃を記録した猛暑の中、16名が参加し相馬LNG基地と福島県相馬港湾建設事務所の見学会を実施しましたので、先ず相馬LNG基地見学会の概要を報告します。
【相馬LNG基地見学会】
参加者は4台の車に分乗し、相馬港4号埠頭地区に建設された福島県初のLNG基地に向かった。管理棟に入る前に検問所で受付をし、13時35分管理棟に入った。2階の会議室に通され、相互挨拶のあとLNGタンクの建設様子やパイプライン敷設工事の様子などをDVD映像による説明を受けた。
(説明要旨)
・相馬LNG基地は、石油資源開発株式会社(JAPEX)相馬事業所の施設で、新地町に立地している。
・LNGとは、天然ガスをマイナス162℃まで冷却し、液化した無色透明の液体で液化天然ガス(Liquefied Natural Gas)のこと。天然ガスの主成分はメタンで、ガスを液体にすると体積が600分の1になる。
・LNGは外国から大型のLNG専用船(外航タンカー)で相馬LNG基地に運び、外航船桟橋で受け入れ、タンクに貯蔵する。
・運用中のLNGタンクは地上式では国内最大級の23万キロリットル1基。魔法瓶のような構造で直径90メートル、高さ60メートル(ジャンボジェット機を2機重ねて格納できる)。他に同規模のタンク1基を建設中。
・タンクの基礎部分は、東日本大震災級の地震や津波にも耐えるよう444本の杭を打ち込んだ。
・貯蔵したLNGを海水などで暖め天然ガス(気体の状態)に戻し熱量調整した後、岩沼で新潟・仙台間の既存パイプラインに接続するため、相馬・岩沼間に39キロメートルのパイプラインを新設し岩沼まで送っている。
・北海道にはLNG専用船(内航タンカー)で、パイプライン網が整備されていない地域にはタンクローリーでLNGを液体のまま輸送している。
・基地施設の運用状況は基地監視センターで常に監視・制御している。
説明の中で、阿武隈川のパイプライン埋設工事にビックリ、川底の地下にパイプラインを通すため、先ず誘導孔を開けその誘導孔にガス管を押し込んで通したとのこと。土木建築技術に驚きだ。
2~3の質疑応答の後、緊急時の避難場所にもなっている管理棟屋上に移動、職員の方の説明を受けながら施設全貌を見渡した。LNGタンク、建設中のタンク、燃焼塔、放散塔、配管ラック、LPGタンク、外航船桟橋など、多くの施設が見えた。配管ラックには数本のパイプが通っており、赤色のパイプは消化・散水用のパイプで水を流すパイプだそうだ。
さらに、福島ガス発電株式会社が事業主となる「福島天然ガス発電所」の建設状況も眺めることができた。このガス発電所は2020年から運転を開始する予定とのこと。
また、これら一連の事業展開で地元の雇用創出にも貢献して行くとのことだった。
暑い日だったが、変貌する相馬港の様子に驚ろかされた時間だった。
文責:渡辺(文)
【見学会参加者の感想文はこちら】
〔新妻代表の挨拶〕