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大洲海岸自然保護区域観察会

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日時:2020.8.9(日) 10001200

講師:黒沢高秀先生(福島大学教授/植物)

参加者:13 

真夏の野外での活動には絶好の曇天(時々小雨)、コロナ感染症対策もしっかりと、鵜ノ尾岬南側の駐車場に黒沢先生、先生の息子さん、郡山からは樹木医の三瓶さんも駆け付け、会員10名総勢13名が参加した。

自然保護区域の保存工事が終了して12年目、保護区域内での植物の生長状況がどのようになっているのか、黒沢先生の説明を受けながら歩いて回った。 

最初の場所は国有林内の保護区域にある干潟。ここは塩性湿地になりつつある場所で、ハマサジ、ハママツナなどが姿を見せていた。ハマサジは福島県では松川浦にのみ生育している貴重な植物。また、ハママツナはアシハラガニの好物だそうだ。この干潟をはぜっ子倶楽部で「古湊干潟(ふるみなとひがた)」と命名した。 

次に観察したのは福島県の保護区域となっている塩性湿地だ(ここは広大なので「大湿地」と命名)。広い保護区域だがまだ干潟にはなっていない。震災以前の水路が残っており、満潮時には松川浦から海水が入る汽水域で、イガカヤツリが生育していたが、同時にイヌビエも生育しており、まだ塩分濃度が少ないとのこと。それでも、嬉しいことに福島県ではここだけで見られる貴重な「ウミミドリ」が生育していた。 

次に、県保護区からさらに南側の場所に移動して観察。この場所は以前、自然の家のグラウンドになっていた場所(「グラウンド干潟」と命名)だが、昨年の台風19号(1012日)やその後の大雨(1025日)の影響か大量のゴミが集積し、浦からの汽水が干潟に入らず、干潟が腐ったような状況になっていた。周辺には外来植物のアレチウリが生い茂っていた。

プラスチックゴミを拾い、アレチウリなどの外来植物を駆除し、少しだけ清掃して12時前に観察会を終了した。

  [参加者の感想文]



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〔出発前の挨拶〕

古湊湿地
〔古湊湿地〕

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〔ハマサジ〕(海岸沿いの湿った砂地に生える多年草)

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〔イガガヤツリ〕(海岸や汽水域の水辺にみられる多年草)

大湿地(名前募集)
〔仮称;大湿地〕(名前募集中)

潮の流入口
〔大湿地への潮の流入口〕

植林地との間には移行帯の斜面が
〔植林地との間にある移行帯の斜面〕

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〔ハママツナとハマサジ〕(ハママツナ;塩性湿地に多い一年草)

アシハラガニの巣穴
〔アシハラガニの巣穴〕

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〔ウミミドリ〕(塩性湿地に生える多年草/白~淡紅色の花が咲く)

ホソウミニナ
〔ホソウミニナ〕

グラウンド湿地
〔グラウンド干潟〕

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〔アレチウリ〕(北米原産の特定外来生物/侵略的外来種)

松川浦 大洲海岸の植物調査

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【大洲海岸植物調査観察会】

8月24日(土)9時前、青空の下では脳の活動も停止しそうな暑さなの中、講師の先生、杏林大学関係者、はぜっ子倶楽部会員など総勢21名が鵜の尾岬の駐車場に集合した。

東日本大震災からの復興事業の中で、大洲海岸すべてを外部から搬入した山砂にクロマツを植林してしまうのではなく、人工林ができる以前の塩生湿地の姿をとどめ、松川浦の自然を保てるような区域を少しでも確保しようと、行政機関、専門家、自然保護団体などが協力した結果、大洲海岸の一部に自然保護区域が誕生した。

今日は、その自然保護区域の植物や干潟の底生動物が震災後どのように再生しているのか、調査・観察を行ったので報告します。

講師として植物関係が黒沢高秀先生(福島大学)、底生動物が鈴木孝男先生(元東北大学大学院)に協力して頂いた。また、杏林大学から古本ゼミの学生6名、指導教官2名が参加した。なお、古本ゼミは観光資源を学ぶゼミで、今回は相馬市の観光資源をテーマにした研究のため相馬に滞在していたとのこと。

講師の先生から調査域の実情や留意事項等の説明のあと、駐車場から車で磯部漁港近くの干潟に移動し調査を開始した。

植林地と湿地の境界は緩やかな移行帯になるよう土盛りされ、干潟に入る手前の塩生湿地では、アシハラガニ、チゴガニ、ホソウミニナなどの底生動物の出迎えだ。さらにハママツナ(福島県絶滅危惧Ⅱ類)、ハマサジ(同絶滅危惧ⅠB類)、シバナ(同絶滅危惧ⅠB類)が生育し、干潟に踏み入ると何と嬉しいことにメダカ(同絶滅危惧ⅠB類)が泳いでいた。以前の松川浦の姿を取り戻しつつあるようで嬉しくなった。

鈴木先生から、底生動物が行う海水の浄化作用について説明を受けながら、自然環境の重要性を改めて認識した。残念なのは、干潟や湿地に入り込んでいるゴミだ。参加者で炎天下の中ゴミ拾いをしたが、短時間では拾いきれないゴミの多さにはため息だ。

他の干潟や震災前の水路が残る場所なども見て回った。水路を覆うオオクグ、ハママツナの群生、また別の干潟ではハママツナの群落をカニが食い荒らしたり、そのカニを大量に鳥が食べた痕跡があったりと、熾烈な生存競争の末、また新たな生態系が築かれていくのだろうと想像された。今後の自然復活に希望の持てた半日だった。



〔参加者からの感想文はこちら〕

黒沢先生の説明を聞く参加者
〔黒沢先生の説明を聞く参加者〕

ハママツナ(福島県絶滅危惧Ⅱ類))
〔ハママツナ(福島県絶滅危惧Ⅱ類)

ハマサジ(福島県絶滅危惧ⅠB類)
〔ハマサジ(福島県絶滅危惧ⅠB類)

シバナ(福島県絶滅危惧ⅠB類)
〔シバナ(福島県絶滅危惧ⅠB類)

メダカ
〔メダカ(福島県絶滅危惧ⅠB類)

ホソウミニナ
〔ホソウミニナ〕


鈴木先生の説明を聞く参加者
〔鈴木先生の説明を聞く参加者〕

集めたゴミ
〔集めたゴミ〕

ハママツナの群落
〔ハママツナの群落〕



ヒヌマイトトンボ生息調査(報告)

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ヒヌマイトトンボ生息調査の結果

 

実施日時;2018年7月15日(日) 09時00分~12時00分

集合場所;松川浦環境公園

参 加者;16名 (講師1名、会員6名、一般10名)

 

【調査概要】

環境公園の駐車場で、宗さん(会員)の挨拶のあと、講師を務める三田村先生から調査場所とヒヌマイトトンボの特徴などを説明して頂き、最初の調査場所に移動した。

最初に大森山北側湿地のヨシ原を調査することとし、近くの駐車場(JAふくしま未来 ふれあい旬のひろばの駐車場)に移動し、胴長を着装するなど調査準備を整えた。ヨシ原に入り約1時間調査したが残念ながら、この地点でのヒヌマイトトンボは発見されなかった。震災直後に比べクロベンケイガニは数が増えてきたようだ。

次に、ホテル飛天の西側(和田字中迫)の湿地に移動し調査した。湿地の一部は土盛りされており、以前に比べ湿地面積が縮小していた。ここで約40分間調査したが、ヒヌマイトトンボの生息は確認されなかった。

次に、和田字下柴迫の湿地に移動して約30分間調査した。シオカラトンボ、ショウジョウトンボなどが飛翔していたが、残念ながらここでもヒヌマイトトンボの生息は確認できなかった。

小泉川河口の排水機場周辺の調査も考えられたが、排水機場付近にあった湿地のほとんどが田圃になっているため、調査しなかった。

環境公園に戻り、会員の方が持参した冷水やバナナなどを頂きながら約30分間、今日の結果などについて話し合った。

話し合いの中で、三田村先生から「震災から8年が過ぎたが、残念ながらヒヌマイトトンボの生息が確認されない。調査は今後も続けていきたいが、今日の参加者で実際にヒヌマイトトンボを見たことのある人は少ないと思う。次回は実際にヒヌマイトトンボを見に行くのも良いのではないか。震災後にヒヌマイトトンボが生き残った北上川のヨシ原に行って、実際に目で確かめて見るのも良いと思う。是非検討していただきたい。」との提案があった。 

1230分解散。暑い中、調査に参加された皆様、お疲れ様でした。

文責:渡辺(文)





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【参加者への調査の説明(中央奥が三田村先生)】



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【説明を聞く参加者】



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【JAふくしま未来の駐車場】



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【大森山北側湿地のヨシ原で調査】



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【クロベンケイガニ】



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【飛天西側の湿地で調査】



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【下柴迫湿地での調査/お疲れ様でした】





野鳥観察会報告

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19日9時に宇多川河口に集合、晴れた青空でしたが冷たい北西風が強く、バードウオッチングとしてはあまり条件の良い状態ではありませんでした。そんな中8名の会員が双眼鏡やスコープを携え参加し、河口から浦にかけ数百から千羽ほどのカモ・シギ・クイナの仲間の群れが餌をとる姿などを見ることができました。

会員で日本野鳥の会相双支部長の白瀬さんから手作りの「松川浦野鳥観察ガイド」をいただき、鳥の名前を確認しながら観察をしました。
身体が冷えてきたので9時40分頃に手ノ沢溜池に移動しました。池にはオオバンやカモ類はいましたが、期待した白鳥の姿はなく日当たりの良い場所で「はぜっ子カフェ」で身体を温めて10時30分に解散しました。

観察日時:11月19日(日)9:00~10:30
観察場所:松川浦、宇多川河口、手ノ沢溜池

松川浦野鳥観察ガイドはこちらからご覧ください。
【松川浦野鳥観察ガイド PDFファイル】


寒風にも負けず野鳥観察
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横一列で野鳥観察
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水鳥の集団行動
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水鳥のおしゃべり
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はぜっ子カフェ
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